赤羽ここちクリニック

Psoriasis乾癬

乾癬

乾癬とは?

乾癬は「炎症性角化症」という皮膚の病気に分類され、「皮膚の炎症」と「表皮(皮膚の一番外側の層)の新陳代謝の異常」の二つの側面を持つ病気です。
皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色のあか(鱗屑)が付着し、ポロポロとフケのようにはがれ落ちます。
また、乾癬の皮膚では、症状が出ていない部分をかいたり傷つけたりすると、そこに症状が出てくることがあり、「ケブネル現象」と呼ばれています。

乾癬の皮膚では、炎症を起こす細胞が集まって活性化しているため、毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態となります。
また表皮が、健康な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、生産が過剰な状態となっています。
過剰に生産された表皮は厚く積み上がり、鱗屑となってはがれ落ちていきます。
日本には10万~20万人の患者さんがいると言われています。

どうして乾癬になるの?

はっきりとした原因は分かっていませんが、体質的な要素(遺伝的素因)に気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの外的因子と糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの内的因子が加わって発病すると考えられています。

治療法は?

乾癬の治療方法は、大きく分けて外用療法・内服療法・光線(紫外線)療法・生物学的製剤の四つの方法があります。
治療法は患者さん一人ひとりに合わせて決定します。
医師と治療法について十分相談し、医師から指示された用法・用量・組み合わせをきちんと守って治療することが大切です。
自分の判断で勝手にお薬をやめたり使いすぎたりすると、症状が悪くなったり、思わぬ副作用が出たりすることもあります。
医師の指示通りに正しく使いましょう。

治療について医師に相談しましょう

乾癬の治療で重要なのは、患者さんが継続して治療に取り組むことです。
病気や治療について知りたい時、なかなか良くならない時、医師の指示通りにお薬が塗れない・服用できないなど、今の治療を続けることが難しい時は、気軽に相談しましょう。

乾癬とうまく付き合うために Q&A

乾癬は治らないの?
乾癬になりやすい体質が変わることはありませんが、根気よく治療を続けて生活習慣を少しでも改善することで、ほとんど症状のない状態を長期間保つことができます。
乾癬は遺伝するの?
乾癬になりやすい体質は遺伝することもあると言われていますが、体質を受け継いだとしても必ず乾癬になるわけではありません。
日本では、親が乾癬で子どもも発病する可能性は約5%と言われています。
乾癬はうつるの?
乾癬は、まわりの人にうつることはありません。
温泉やプールなど一緒に入っても絶対にうつりませんので、ご家族や友人などまわりの人に乾癬についての正しい知識を持ってもらいましょう。
お薬はずっと続けなければいけないの?
乾癬は良くなったり悪くなったりを繰り返す経過の長い病気です。
症状をやわらげたり、良い状態を長く保つには、根気よく治療を続けることが大切です。
そのためには、医師とよく相談し、お薬は指示を守って正しく使いましょう。
ケブネル現象を起こさないためには?
ケブネル現象は、衣類や眼鏡などの刺激によっても起こりますので、服装には十分気を配りましょう。
また長時間、肘をついたり正座したりすることは避けましょう。
かゆいときはどうすれば良いの?
かゆいからといってかくとケブネル現象を起こし、さらに症状が悪化します。
かゆいときは医師に相談して、かゆみ止めを処方してもらいましょう。

日常生活で注意すること

乾癬の症状は治療によって良くなりますが、環境やストレス、体調によって悪化することもあります。
治療と並行して日常生活でも、症状が悪くならないように生活習慣や体調管理に注意することが大切です。

皮膚への刺激を避けましょう

衣服でこすれたり、皮膚をかいたりすることなどの刺激で症状が悪化します。
衣服はなるべく柔らかい素材のものを選びましょう。

乾燥に注意しましょう

一般的に、乾癬は夏に良くなり、冬に悪化します。
特に冬は皮膚が乾燥するので注意しましょう。

日光浴をしましょう

乾癬は日光にあたると良くなることが多いので、なるべく日光浴をしましょう。
ただし、急激な日焼けは皮膚を刺激し悪化の原因になりますので、徐々に始めましょう。

ストレスをためないようにしましょう

肉体的・精神的ストレスは症状悪化の原因になります。
ストレスを完全になくすことは難しいですが、スポーツや趣味などで気分転換して、ストレスを発散させましょう。

適度な運動をこころがけましょう

肥満と乾癬の関連が指摘されています。
運動することで体を鍛え、適正な体重を保つことができます。
リラックスやストレス解消にもなりますので、適度に体を動かすことが大切です。

食生活に注意しましょう

カロリーの高い食事(肉類・脂肪分)は症状を悪化させ、カロリーの低い食事(野菜・魚)は症状を改善させると言われています。
香辛料などの刺激の強い食べ物やお酒はかゆみを増すので、できるだけ控えた方がいいでしょう。

喫煙は控えましょう

たばこを吸うとのどを痛め、風邪やへんとう腺炎にかかりやすくなります。
風邪やへんとう腺炎は乾癬を悪化させる原因になりますので、喫煙はなるべく控えましょう。

入浴により清潔を保ちましょう

毎日入浴して清潔を保ちましょう。
ただし、ゴシゴシこすりすぎたり、体を温めすぎたりすると、かゆみが増すので熱いお風呂は避けましょう。
入浴後はタオルで優しく体を拭き、できるだけ早くお薬を塗りましょう。

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